ルイ・ジャド社のワインセミナー考察

セミナー
昨日パレスホテル東京にて、フランス・ブルゴーニュ地方の優良ネゴシアン・エルヴール
『ルイ・ジャド』のワインセミナーが行われました。

40年以上ジャドで醸造を担ってきたジャック・ラルディエール氏から受け継ぎ2012年に最高醸造責任者に就いたフレデリック・バルニエ氏が初来日ということでしたので伺って参りました。
フレデリック・バルニエ氏彼は若く40歳。しかしながら野心を持ってジャドを変えていくというスタンスではありません。
伝統を、ブルゴーニュを、テロワールを伝え続けていくことが使命と捉えているようで話を伺う限り迷いは見えませんでした。

フレデリック氏曰く『何も変わっていない』。

ジャドの哲学としてワインにテロワールを映し出すのが基本。
ワイン造りに関してもほぼ全てのワイン生産工程が、特級や一級畑であるからとか、区画毎の特徴やヴィンテージで変えない。
熟成期間や新樽比率も広域ワインでも格付けワインでも同じ。
このことで、そのヴィンテージにおけるテロワールの相違が如実に表れるのである。

ジャドやフェヴレなどの優れたネゴシアンこそがブルゴーニュの本質を体現出来うる造り手であると再確認しました。

個性的なスター生産者たちのワインは確かに優れたものも多い。
しかしそれは彼らの哲学及び個性が非常に強いものであり、ブルゴーニュにおいて彼らの想いが時にしてテロワールを上回ってしまう。
本来、閉鎖されたミクロクリマを持つブルゴーニュこそ世界で最もテロワールを感じられるものであるのにそのパラドクスがと各々のワイン造りの線引きの葛藤が付き纏う。

金に糸目を付けず好きなように自分の理想だけを追い求めているものと対極に位置するブルゴーニュ。
守り抜く伝統と世界中から求められるブルゴーニュとしての不変への期待、世界市場を経験した若い世代たちの感覚と価値観が今後どのように推移していくのか一ワインファンとしても気がかりではあったのですが、その期待に応えるどころか軽やかに乗り越えていける力をもっている造り手がしっかりと根を張っているようですので安心ですね。

唯一価格は安心できませんが…。

資料
今回の白ワインは、
サヴィニィ・レ・ボーヌ・1er・クリュ・クロ・デ・ゲット 2011~2013(垂直テイスティング)
丘の上に位置する標高300mの優良プルミエ・クリュ。
土壌は深くデイ開度と石灰岩を含む南向きの区画。ビオディナミ栽培のシャルドネ100%。

各ヴィンテージの特徴が見事に反映したワインとなっていました。
特徴は下に。
・2011…早生で暖かく暑く乾燥した春、4月で夏のように暑くなり雨も少なく葡萄の実が少なくミルランダージュに。03年のように暑かったが逆に夏が冷夏、9月に収穫前に晴天が続き良い年に。
・テイスティング…落ち着いた黄金色。レモンの蜂蜜漬け、杏にイチジク、僅かにキャラメルやモカなどの熟成香。練れた印象で酸もやさしく滑らか、アタックの強さは控えめながら各要素も一番馴染みバランスが取れている。酸と共にのびやかで長いアフターへと続く。

・2012…暖かな冬、芽吹きも通例通りだが天気の浮き沈みが交互に押し寄せた。雨や菌、霜などで少しずつ葡萄の収量が減り収量は例年の半分に。9月は素晴らしい天候でこの月にグッと葡萄が凝縮、ストラクチャーを感じる力強い年。
・テイスティング…黄味の強い輝くゴールド。完熟アプリコットに洋梨トロピカルなニュアンスと蜜っぽさ、黄桃に生アーモンドや樽由来の強いバニラの香ばしさ。アタックもリッチで強い。酸もまろやか、熟度が強くボリューム感の広がりもある。暑さを反映しているように感じで時間と共にフルーツ香が増していく。

・2013…難しく複雑、厳冬と遅い芽吹き。春の訪れも遅く寒さが続き5月の末まで例年の半分の日照と倍の降雨量。6月にずれ込んだ開花だが雨で花が流れ量が減る。7月22日の雹を除き夏とそれ以降は最高の年と言って良いほどに。収量が自然に減った後ゆっくりと熟成しハンギングタイムも長く9月の末から10月に収穫。
・テイスティング…輝くペールゴールド。リンゴやその蜜、スパイスやバニラに白桃のアロマが溶け込み全体的にフローラルな印象。徐々に発酵バターやビスケットのような風味も現れるがフレッシュでエレガント。横江のボリューム感とアフターの塩気を伴うミネラルが顕著で果実の美味しさを一番ストレートに感じる味わい。早くもバランスは取れており余韻も長い。

同じワインと思えるのも難しい位ですが各年の特徴を見事に反映しています。
個人的には13年が一番好きでした。

赤ワインは
ボーヌ・プルミエ・クリュ・オマージュ・オー・クリマ 2012
2012年
は赤ワインにとって素晴らしい収穫年になった。ジャドの持つ18のプルミエ・クリュを巧みにアッサンブラージュさせた特別キュヴェ。それぞれの畑の個性も見事に調和した奥深い味わい。
テイスティング…若々しく輝くルビー。ブラックチェリーやグロゼイユ、赤スグリの凝縮あるアロマ、深みもありリッチ、クローヴなどのスパイス香もクリアでその広がりも素晴らしいストラクチャー。フィネスあるきめ細やかな緻密なタンニンの重厚さも感じられる。未だ若く熟成も期待できる一本だが、デキャンタージュをすれば今からでも十分楽しめる一本。

資料今回のセミナーの赤ワインとtanaが試飲したいくつかのバック・ヴィンテージを今月後半には入荷させますのでご期待下さい!

Oga

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です