昨日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて、フランス・ボルドーのグラン・クリュを擁する協会組織『ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー』の試飲会が行われましたので参加してきました。
これからリリースとなる2012年ヴィンテージのボルドーの動向を見るのに最も適したものでワイン・スタイルズとしても入荷の際に非常に参考になるイベントでもあります。
Ogaの感想としましたら、明らかにメルロの年と言えると思います。
又、貴腐もしっかり付いたソーテルヌの秀逸な年。
比較的穏やかな冬でしたが春は厳しく乾燥した夏、天候の変化があった秋でありました。
特に春は気温が低く記録的な降雨量であった為、開花も遅れ7月15日位までは例年よりも寒く、樹勢のコントロール含め難しかったようです。
しかし9月15日までの夏は乾燥し2005年や2009年といった超優良年と変わらない時期を過ごせています。
メルロとカベルネ・ソーヴィニョンでは収穫時期がずれます。常にカベルネの方が完熟が遅いため遅れた収穫となります。
全体で9月24日から収穫が始まったメルロは10月1日の段階でほぼ収穫は完了、しかし10月は多雨でありその時期に収穫のカベルネ・ソーヴィニョンには大きな影響を及ぼしました。
実際にテイスティングをしてみると、左岸のメドックのワイン群は例年よりもエキスは抑え目、夏の影響かタンニンの量は豊富にありましたが、シャトーによって酸が少ない所とやや多いなと思わせるところでバラつきがありました。
カベルネ主体のメドック地区は全体的に凝縮感に欠け、長期熟成よりは早飲みに適したものも見受けられます。
実際、左岸で良かったシャトーは、敢えて柔らかく早飲みのバランスと感じられる造りに徹した所でした。
CHATEAU BRANAIRE-DUCRU(シャトーー・ブラネール・デュクリュ/サン・ジュリアン)、
CHATEAU BATAILLEY(シャトー・バタイエ/ポイヤック)
は個人的にとても良かったですね。
メルロ主体の右岸に関してはシルキーで今の時点で美味しいと唸らせるシャトーは多数ありました。
傑出して良かったのが、
CHATEAU TROPLONG MONDOT(シャトー・トロロン・モンド/サン・テミリオン)
CHATEAU GAFFELIERE(シャトー・ラ・ガフリエール/サン・テミリオン)
CHATEAU CANON-LA-GAFFELIERE(シャトー・カノン・ラ・ガフリエール/サン・テミリオン)
CHATEAU LA CONSEILLANT(シャトー・ラ・コンセイヤント/ポムロル)
そして、赤も白もペサック・レオニャン、グラーヴ地区はメドックよりも相対的に素晴らしいものが多かったです。
CHATEAU SMITH HAUT LAFITTE(シャトー・スミス・オー・ラフィット)
CHATEAU PAPE CLEMENT(シャトー・パプ・クレマン)
DOMAINE DE CHEVALIER(ドメーヌ・ド・シュヴァリエ)
更にソーテルヌ、バルザック地区も素晴らしい出来栄え。
出展していた中では、
CHATEAU COUTET(シャトー・クーテ)
CHATEAU DOISY DAENE(シャトー・ドワジィ・デーヌ)
CHATEAU DOISY VEDRINES(シャトー・ドワジィ・ヴェドリヌ)
CHATEAU LAFAURIE-PEYRAGUEY(シャトー・ラフォリー・ペィラゲイ)
CHATEAU LA TOUR BLANCHE(シャトー・ラ・トゥール・ブランシュ)
どれも甲乙つけがたい貴腐のニュアンスと凝縮感、リッチな複雑さを持っていました。
全体的に早くから楽しめる偉大なグラン・ヴァン達ですが、出色のものはもちろん長期熟成も可能な造りです。
プリムールご検討の方はご参考になさって見てください。
年末年始はちょっと贅沢にボルドーを飲んでみたくなりました。
ワイン・スタイルズでは最新ヴィンテージはもちろんですが、ボルドーワインに関しては、熟成し練れた飲み頃に近いものに注力してラインナップに加えていこうと思っています。
掘り出し物のボルドーが近々入荷する予定ですのでご期待ください。
Oga
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