6月のマリアージュテイスティングレポート

6月のマリアージュテイスティングレポート


先週末、恒例のWineStylesの6月のマリアージュテイスティングが行われました。

たくさんの御来店誠にありがとうございましたワイン

今月は暑くなってきたのも有りまして爽やかな白ワインというテーマでした。

そこで涼やかなソーヴィニョン・ブランの飲み比べです。

同じワインのヴィンテージ違い。Quincy(カンシー)の2008&2009です。
ワイン・スタイルズのブログ-カンシー

Quincy Tradition <Domaine Jacques Rouze>




フランス、ロワール河上流のワインで主にQuincy村とBrinay村に跨る214haの区画からのワイン。




土壌は粘土・石灰質土壌、表面は砂や川砂利の台地でサンセールに近付くにつれ、より石灰質が強くなりミネラルが強くなっていく。




カンシーはやや粘土質が多い為、又、海洋性の影響も受ける変則的な大陸性気候の影響で夏は暑い為、ハーブのニュアンスが強く表れる。




雨量は年間を通して一定で安定しているが量は少なく、春の遅霜に葡萄樹がやられる危険性がある地域なのでこの村には風車があり風を起こす必要もあるという。




近くのルイィやメネトゥ・サロン、サンセールなどと違い、白ワインのみが生産されるAOCで法的には1936年にサントル・ニヴェルネ地区で一番最初に認定を受けている。



このワインの生産者は全部で25軒程だが、1、2を争うトップ生産者がジャック・ルゼ。



ワイン・スタイルズのブログ-ボトル
08年は平均樹齢25年の若木のソーヴィニョン・ブラン100%使用。9月最終週より収穫開始。





カビが多く発生した年だったので厳しい選果で収穫量は減った。その為厳選された果実により滑らかでバランスの取れたワインとなり、飲み頃も早く迎えられる。




色調はやや黄色がかった淡い麦藁色。レモン、蜂蜜、白い花やメントールのアロマに溢れ、透明感があり、丸みのあるジューシー果実味と酸とのバランスの良さが際立ちます。



09年も同様に9月最終週より収穫開始。御存知の通りフランス全土が好天に恵まれた優良ヴィンテージ。




色は08年に比べ薄く透明に近い麦藁色。レモンや蜂蜜にアカシア、ハーブ、カシスの芽、ペッパーのアロマが絡み合い、クリーンでフレッシュな果実味がとクリスプな酸が際立つ活き活きとした爽快な味わい。




合わせた食材はシェーヴル。山羊のチーズです。

このロワール河流域一帯はクロタンを始めとしてフランス・シェーヴルの一大産地。ミルクの優しい風味と酸味が特徴で同産地のワインと良く合います。




ただ、今回はちょっと面白く日本産のシェーヴルを試していただきました!




京都南丹市の、るり渓やぎ農園のもの。

有機の餌を食べて育てた山羊乳の拘りの手造りチーズ。

ワイン・スタイルズのブログ
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山羊ミルクを乳酸発酵させただけのフロマージュ・フレと低温で時間をかけてゆっくりと乳酸発酵させてフェルミエの2種。

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どちらも柔らかいミルクのコクと酸味が滑らかで非常に食べやすい。フレの方は非常にフレッシュでヨーグルトの様。フェルミエの方がやや特有の風味がありそれでも優しく苦手な方でも美味しく頂ける舌触りのよい滑らかなコクが楽しめます。




そのチーズに24時間火を消すことのないスペイン産の窯で焼き上げるというヨコハマロアモンドのブルーベリーマフィンを添えて提供致しました。




非常に上質なバターと砂糖を使用しており濃厚でしっとりとした美味しいマフィンです!


そしてチーズの酸が苦手な方には島根県浜田市の養蜂園、中山農園の希少な蜂蜜を掛けて召し上がっていただきました。




日本では輸入の蜂蜜が95%を占めるそうですが勿論これは拘りの国産蜂蜜、それも柿の蜂蜜ですコスモスハチ




柿は一年の内、一週間程しか花を咲かせないので非常に量が少なく毎年安定して生産出来ないそうです。




しっかりと柿の風味が感じられる濃密で甘美な雫でした。




一匹の蜜蜂が一生で集められる蜜の量は茶匙一杯程度というのですからありがたく頂戴しましたo(^-^)o



さて、肝心の相性ですが、非常に良かったです。




ハーブの風味とミルキーな舌触りは勿論調和しますが、やはりキーは酸ですね。




酸っぱいとはならず酸の上に様々な旨味の要素が乗って口中で広がり同調するのでとても大事な要素でありマリアージュのミソです。




ワイン、若しくはチーズの酸を口に含み体感した後、もう片方を味わうと、酸が混ざりあい他の要素が舌の上で鮮烈な輪郭を現し始めます。ワインの柑橘系を始めマフィンのブルーベリーの果実とカラメル、アルコールとミルクのコク、ほんのりと存在する山羊の野性味が浮かび上がって味に膨らみを持たせてくれます。


チーズのフレの方にはフレッシュで弾ける酸の2009年、フェルミエの方には練れた熟成味が出ているこなれた酸と風合いが2008年の方に、より良い相性を感じることが出来ました。


今回は垂直テイスティングも出来、評判が良かったみたいですので機会があれば又、御提案できればと思います。




さて、次回は夏に負けないスタミナを付けるマリアージュを楽しみたいと思いますので御期待下さい。




又、特別に7月16(金)、17(土)&19(海の日)の3日間やりますので皆様遊びに来て下さいね船



Ogaメガネ




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