2013年度のボルドーの葡萄収穫は1991年以来最も少ない量となることを地元ワイン支援団体Le Conseil Interprofessionnel des Vins de Bordeaux(CIVB)が発表。
今年の春先の悪天候と夏の間に起きた雹の被害の影響でボルドー全体で葡萄の収穫が100万hl減ると予測している。
2012年には60のアペラシオンで構成されるボルドーの葡萄農業は525万hlを生産した。
今年の収穫予想を踏まえ約2割の減少し、1991年以来の数値に近づくと予測している。
ちなみに2011年は546万hl、2010年には571万hl、2009年は574万hlと4年続けて下降傾向が続いている。
フランス語で(Coulure/クリュール)花振るいが大きな影響を与えているとCIVB代表のベルナール・ファルジュ氏は説明している。
花振るいは春先の雨や悪天候から不ぞろいの大きさで葡萄の粒が付き、葡萄の花のつぼみが開花する時期に小さい粒だけが房から落ちてしまい2~6割が結実する現象。
今年はクリュールが原因で80万hlが失われ、夏の雹被害で20万~30万hlが失われたと概算している。
又、更に夏の雹の被害も酷かった。
夏の間に度々雹の被害で葡萄を失ったシャトーに対して、所属のAOC以外の他所のAOCから葡萄を購入し、失った製造量を補うことは過去にも許可されたが、今年はあまりにも葡萄の被害が多かったことから、すでに圧搾、醗酵、熟成中の果汁の取り引きも許可することをBordeaux Wine Bureau(CIVB) の働きかけで可能になった。
すでにフランス当局に雹被害にあったシャトーや葡萄畑に対して援助の要請を行なってきたCIVBは今回の措置で短期的なシャトーや葡萄畑の存続や供給問題を解決できると考えている。
葡萄を他所から購入できる資金があるシャトーなどは9月10日まで済ませる必要がある。
一方、それまでに資金が集められないシャトーなどは2014年7月31日まで醸造済みワインを購入することを許可される。
この措置の対象シャトーは最低で30%の年間生産量が今回の被害で落ち込み、年間の生産量の80%を他所の葡萄またはワインが上回らないことが条件となる。
また、同一のAOCから葡萄またはワイン購入に限定され、赤ワインの場合、2013年、2012年、2011年ヴィンテージに限り、白ワインは2013年と2012年ヴィンテージ限られる。
ワインのラベルには製造シャトー名の記述は禁止され、キュヴェ名の明記のみが許可される。
ただし、ラベルの絵柄(シャトーの絵など)やデザインはそのまま変更なしで使用可能となる。
商品の品質を保証するのに、これらのワインはすべてワイン・ブローカー(ネゴシアンまたは中間卸売業者)を通じて販売する必要がある。
葡萄不足でワインの供給問題が解消できるのと、短期的にはシャトーの存続支援の観点からはこの措置に賛成する声が多いが、このような事態が継続するようであれば、ワインの品質、ボルドー・ワインのイメージがダメージを受けかねないことも予測できる。
ボルドー・ワインの様々な関係者は可能な限り醸造済みのワインの取り引きよりも、葡萄単位での取り引きを推奨している。
今回ボルドーで最も大きな雹被害にあったAOCはアントル・ドゥー・メール、 コート・ド・カスティヨン、サンテミリオン、ポムロール、フロンサック、ブライ、ブールなど。
しかし、収量が低かったり、雹の被害だけで最悪なヴィンテージとはなりません。
最後の収穫まで待たねばなりませんが、ネゴシアンのワインと、トップシャトーの出来栄えの差が激しい年となりそうです。
どのワインを選ぶかがカギになりそうです。
2013ヴィンテージのボルドーワインが店頭に並ぶのは2、3年先でしょうが、私たちも厳選してご紹介していきたいと思っています。
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