日本でも最近雹(ヒョウ)のニュースが多いですね。
昨日はロシアでゴルフボール程の雹が降って話題になりました。
世界のワイン産地でも被害が増えているようです。
フランスでも先月はブルゴーニュ、ボルドー・メドック北部、コニャックで被害を受けた。
6月28日に起きたブルゴーニュの雹害をめぐっては雹害対策の議論が起きている。
ブルゴーニュの雹害は、2011年から4年連続して起きている。
今回はヴォルネイ、ポマール、ムルソー、ボーヌなど、コート・ド・ボーヌ地区の被害が大きい。
メゾン・ジョゼフ・ドルーアンのクリストフ・トーマス輸出部長は「ドルーアンが所有するボーヌ・プルミエクリュのクロ・デ・ムーシュは、収穫量が平年の60%となった。
2013年は20%しか収穫できず、クロ・デ・ムーシュとして発売するか、格下げするかは、今後の熟成の状況を見て判断する。
コート・ド・ニュイ地区も被害があり、ミュジニーやクロ・ド・ヴージョ、ヴォーヌ・ロマネの一部も被害を受けた。
シャブリも被害がある、自然には逆らえない」と、深刻な表情で語った。
雹害は特定の産地で多発しており、気候変動との関連も疑われている。
4年間で2年分の収穫しかない事態は異常だ。
雹害対策をめぐっては、様々な対策が検討されている。
大気中にロケットを打ち上げる対策は費用がかかりすぎて現実性が薄い。
上空をヨウ化銀と銅の雲でおおう大砲は、コート・ド・ボーヌ、オート・コート・ド・ボーヌ、コート・シャロネーズで、34機が設置されたが、今回は効果を発揮しなかった。
雹が予想される場合は、4時間前に大砲に点火する必要がある。
今回は嵐の移動が早く、点火の判断も遅れた模様。
設置されたすべてから発射されないと効果が薄いため、足並みをそろえる必要もある。
英国の評論家ティム・アトキンスMWは、自らのホームページで、オーストラリアやアルゼンチンで使用される、雹対策の網を葡萄樹にかける対策を提案している。
ただ、これはAOCの規則に違反しており、その上、夕方に発生することの多い雹に対して、朝に予報が出てもすぐに網をかける生産者は少ないという問題もある。
今月にはラングドック・ルション地方のブドウ畑が、6日午後、雹害に襲われた。
オード県の発表によると、県の栽培面積の4分の1に当たる1万2000~1万5000ヘクタールが被害を受けており、被害の度合いは収穫量の20~100%に達している。
カルカッソンヌ周辺の被害が大きく、初期の報告ではミネルヴォワとコルビエールが深刻な状況。
AFP通信によると、フランスの農業省は雹害対策の保険基金に支出して対策に乗りだす。
各地で雹害に襲われた2013年の11月に、保険会社や生産者団体と作業部会を設置して、対策を検討してきた。
収穫の損失はカバーしないが、植え替えや修復を援助する。
雹害の損失をカバーするのは保険金が高くなるため、農業継続のための手段を提供するという。
AOCが名乗れなくなるため大砲やシートをかけるのは難しいとなると生産者はお手上げです。
政府の助けも被害に対してではなく、植え替えや修復の援助ということですし。
近年の突発的な気候の変化はワイン産地のみならず、世界中で人々は戸惑っている状況です。
温暖化の影響であるのならばワイン法も時代やテロワールの変化に応じて柔軟に変化させてもよい時期に来ているのではないでしょうか。
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