シャンパーニュ・ポル・ロジェの未来

イギリスに関わりの深いワイン・スタイルズですので、英国内で人気の英国王室御用達にもなったシャンパーニュ・メゾン、ポル・ロジェも取扱いがあります。

社長交代というニュースが入りました。

（以下、ニュースより抜粋）

フランスシャンパーニュのメゾン「ポル・ロジェ」の品質を向上させた社長のパトリス・ノワイエル氏(右)が定年で引退することになり、後任のローラン・ダールコート氏(左)と共に来日し、新ヴィンテージを披露した。

ポル・ロジェは英国で人気が高い。

2004年、英国王室御用達に任命され、11年のロイヤル・ウェディングでは「ホワイト・フォイル」と呼ばれるブリュット・レゼルヴNVマグナム瓶が供された。

その余波で、日本の売り上げが倍増したという。

樽を使用せずステンレスタンクのみで醸造。

ピノ・ノワールの力強さを生かした重厚なスタイルだが、ノワイエル社長がブルゴーニュのメゾン・モメサンから引き抜かれた1997年以降、クリュッグで長年働いてきたドミニク・プティ氏を醸造責任者に採用し、発酵槽をセメントからステンレスタンクに刷新するなどの設備投資を行った。

「全部で188の発酵タンクがあり、総容量は1万9500ヘクトリットル。25ヘクトリットルから160ヘクトリットルまで。区画別に醸造するためです。10年以上かけて、2012年1月に、醸造施設のリニューアルが完了した」とノワイエル氏。

2番搾りのタイユの使用は止め、一番搾りのキュヴェのみを使うように変更し、2002年にはNVのドザージュ量もリットル当たり12ｇから9ｇに減らした。

一方で、リュミアージュ（動瓶）を人の手に頼っているのは、「ラスト・オブ・モヒカンでありたい」というノワイエル氏の頑固さを物語る。

リーマン・ショック後の不況も乗り切り、ロイヤル・ウェディングで、さらにブランド価値を高めた。

「レセプションの最中に、ウィリアム王子の友人の知り合いの将校から、『まさに、ホワイトフォイルのマグナムを飲んでいるところだ』と電話がかかってきて、うれしかった」と明かす。

細部改良の積み重ねによって、「眠れる森の美女」を目覚めさせたノワイエル氏の功績は大きい。

「ブラン・ド・ブラン　2000」、「ブリュット　2002」、「ロゼ　2004」、「キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル　2000」が発売予定。

ブラン・ド・ブラン2000は、グランクリュのオワリー、シュイィ、クラマン、アヴィーズ、メニル・シュール・オジェのシャルドネを使用。

とりわけミネラル感や酸が突出するわけではなく、バランスの良さに安心感を覚える。

ブリュット2002は、ピノ・ノワール60％、シャルドネ40％。

「2002年は2008年と並んで、私が手掛けた中で最高のヴィンテージ」というだけあって、丸さと力強さがあり、熟成能力も備える。

ロゼ2004はピノ・ノワール65％、シャルドネ35％でブレンド方式で造られフルーティでチャーミング。

キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル2000は、3月に世界で発売された。

ブレンド比率は例によって秘密。

ヴィンテージと同様の比率では？とたずねても、ノワイエル氏は「それは忘れてしまった」と口笛を吹きながら横を向く。

ボランジェとは違った意味で男性的な味わい。

ステンレスタンク醸造によるピュアさに、骨格とボディの大きさが加わっている。

「2002年ほど長期熟成ではないが、早くから楽しめる。戦前からシャンパーニュに使われていた伝統的なグランクリュの区画のブドウを使う」と。

ダールコート新社長はブルゴーニュ出身。

米国のワイン・ディストリビューターや、ムルソーのネゴシアン「ロピトー」（今はボワセ傘下）で働いた後、シャンパーニュのブルノ・パイヤールに移った。

2008年にポル・ロジェ輸出部長に引き抜かれた。「6年間もパトリスと一緒に働いたから、何をすべきかはわかっている」と意欲を見せた。

現在、ヴィンテージ2002年はワイン・スタイルズで既に取り扱っております。

サー・ウインストン・チャーチルは1999年が残り僅か。

英国を感じる不思議な素晴らしいシャンパーニュです。

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